治療のヒント3) 頭痛・吐き気
3-1 頭痛・吐き気
目の疲れからくる色々な症状についてのお話です。頭痛や吐き気は目の疲れに限って出るものではありませんが、首や肩のコリを発生させる原因の内の大きな割合を占めます。もちろん首・肩のコリは鼻や喉などといった様々な器官や、緊張の連続といった精神的な要因からも発生します。ともかく疲れ目で発生する頭痛や吐き気は首・頭部・肩など広範囲にコリ・反応点が発生しています。実際、症状別治療ポイントのページで示している部位を押すと痛いといった反応があります。疲れ目は頭ではコメカミ部分にスジばったコリに触れることもあります。この様なポイントは場合によっては非常に過敏に反応することもあり、慎重に治療をすることが必要です。目を軽く押さえるだけでも気持ち良く、焦点がはっきりしてくる場合もありますが、目やその周囲だけでなく首・頭・肩、できれば肩甲骨の間の背中まで緊張を和らげる治療すると効果が長持ちします。
3-2 耳鳴り・難聴
目と同じく耳鳴りや難聴に鍼灸が効果を出す場合があります。ツボとしては耳の周囲のツボを使います。点灸といって、米粒かゴマ粒ぐらいの大きさにひねったもぐさをそのツボの上に直接置いてお灸を行います。耳の周囲の緊張を取る目的です。ここでも首に反応(コリ・圧痛)のある点が多く出現し、その治療も同時に行う事で効果が上がることを経験します。首を治療しただけでも耳鳴りの音が低くなったとおっしゃる方もおられますし、逆に耳鳴りや難聴が再発した方の場合は首のコリがひどくなっているのが触診できます。この場合もその部位だけでなく関連したポイントを治療することが大切です。
3-3 頭のマッサージ
以前にも取り上げたのですが、頭には意外とコリがあります。それを一番感じるのはコメカミの部分です。目の疲れの場合に周辺の筋肉が硬くスジ状に緊張して、盛り上がっているのがわかります。触った時に右と左とではその痛みや盛り上がり方が違っていることが多くあります。痛い側の視力が劣っていたり、逆に視力が良いので効き目として酷使し疲労している場合が考えられます。また、精神的な緊張状態が続くと同じようにコリが生じます。怒った時に青筋立てるとか、緊張して歯を食いしばるなど、コメカミはストレスなどと関係が深いのです。また肩や首の緊張とも関係しているので、首肩の治療の際にはぜひ一緒に頭も治療して頂きたいところです。コメカミだけでなく後頭部の首との付け根部分の緊張緩和も大切です。寝不足などの場合はコリよりも、頭皮がぶ厚く、ブヨブヨとしてむくんでいる感触になります。この場合はヘコミや溝状の窪みを認めることも多く、押すとツンとした痛みやズンとした鈍痛を感じます。そのまま軽く圧し続けているとその痛みが和らぐことも経験します。「押されると唾液が出てくる」などと言う方もいらっしゃいます。頭のマッサージはそれだけで緊張を解く効果があり、美容室でシャンプーをしてもらうと気持ち良く感じるのもこのような理由によります。ツボでいえば花粉症や鼻炎に効果が期待されますし、その場合にも押すと痛い部分が現れます。自分でシャンプーをしながら頭の変化を探ってみるのも面白いと思います。
3-4 頭のセルフチェック
①頭をさわって皮膚がブヨブヨしている
これは頭皮の皮下組織に「うっ滞」の発生、つまり循環が悪くなっているサインです。皮下組織が厚くなっているという事は、骨と皮の間の組織の代謝が悪く「むくんでいる」状態といえます。
頭全体がブヨブヨしている場合には、シャンプーをするように10本の指先を当てて前後左右に頭皮を動かす方法でマッサージします。この時頭皮に当てている指先の位置は動かさず、皮下組織や頭皮だけを動かすことを繰り返すのがコツです。頭全体に行います。
②頭に山や谷があるようにデコボコしている
このような時はへこんだ谷の部分が「ツン」と痛く感じることが多いものです。へこみに沿って指先を当て、指先の位置はそのままで皮膚を動かします。最初は痛かったものが緩んでくるのが感じられます。
③穴のようなへこみを感じる
これも谷の場合と同じくへこみに指を当て位置を変えないで頭皮を動かします。
この部分を押しただけでも「ツン」と痛み、「唾液」が口の中に出てくることもあります。ポイントを押し続けているだけでも効果はあります。
④こめかみなどに「スジスジ」が触れる
筋肉の緊張が高まっている状態で、強くマッサージしすぎると痛みが残ることがあります。痛いけれど気持ちいいという原則に従って軽めにマッサージを始めると効果的です。
⑤耳の周りに硬いポイントがある
耳の周囲の緊張は、耳の不調と関係する場合があります。この緊張を和らげることで軽い耳鳴りが軽減することも経験します。指先で痛いポイントを見つけ、軽く圧迫します。